HIGH OUTPUT MANAGEMENT

久しぶりにかなり共感できる本に遭遇した気がします。 HIGH OUTPUT MANAGEMENTを読んでみましたが、中間管理職として日々悩みながら業務遂行している身としては非常に参考になるし面白い。

マネージャー、管理職と呼ばれる人たちに求められるのはチームのパフォーマンスであるといった基本的な話から、もしマネージャーが知識スペシャリスト、ノウハウ・マネージャーであれば自分の影響がおよぶ「隣接」諸組織に対するアウトプットも求められるといったことを述べている、というかそれらがアウトプットだと述べています。

また権限委譲やテコの原理、マネージャーの部下は何名が最適か(6から8名が良いと述べられている)など、管理職になるとふと疑問に思う内容が筆者の経験をもとに根拠とともに述べられており、マネージャーや管理職業務を遂行している方々には非常に参考になると思います。

基本的にインテルでの経験をもとに大企業の管理者を想定して書かれているので、小企業でリーダーがなんでもこなした方が良い組織の管理には参考にならないケースが多いかもしれません。 ただ、筆者の考え方であったり参考文献からの引用などは参考になる部分も多々あるはずです。以下は極一例。

ピーター・ドラッカーはかつて、マネージャーがその時間の25%以上をミーティングに使っているならばそれは、組織不全の兆候であるとすら言っている。

そして大企業の組織の最善を考えると使命中心方式と機能別方式のハイブリッドになるという説明も、自社の組織と照らし合わせて考えるとスムーズに業務が回らない部分があるものの、全体最適を考えるとここをうまくバランスしたくなるというのも納得できる。

またワン・オン・ワンミーティングの目的や頻度などの実施方法、人事考課についての記載などマネージャーが必ず頭を悩ませる部分についても惜しみもなく筆者のノウハウや考え方が述べられていて、「管理者になったときにまずこの本の存在を教えて欲しかった」と最初に思いました。

ということでマネージャー、管理職になりたての方々には特におすすめです。