インターネットの基礎

2014年の本だが文字通りインターネットの基礎が何たるかを理解するのに最適な本だと思います。

インターネットの始まりはARPANETが原型であるという話は学生時代に習った記憶があり、その説明からこの本も始まります。 WEBがインターネットの代名詞のようになっていますが、始まった当初はWEBはなく電子メール、掲示板、ファイル共有が主流であったとのこと。 1990年代に入りティム・バーナーズ=リーが構築したWorldWideWebが徐々に広がり、インターネットエクスプローラーWindows95に搭載され販売されたことで一気に大衆化が進んだようです。

余談ですが学生時代、学校には数台のUNIXがネットワークで繋がっており一部の学生がそれを使って何かしらの実験をしたり論文を書いたりしていたのですが、当時の自分はまったく興味がなく殆ど触りませんでした、、、メールなども使えるようになっていた気がするので、おそらくインターネットに繋がっていたのではないかと思います。 また、仕事を始めて未踏ユースの発表会を見学に行った際にWIDEプロジェクトの存在を知ったのですが、この本によると1980年代に創設されたものらしい。この頃の私はインターネットも知らず、今のような世の中になるなんて当然想像もしていませんでした。

インターネットが世界に広がるには、当然世界中に張り巡らさなければなりませんがここは技術的な課題に加え、金銭面や法律面など乗り越える壁が多数あったようです。 当時の時代背景だからこそ乗り越えられた課題もあり、ここまでインターネットが広がったのはうまく時代に合わせながら拡張してきた結果なのではないかと思います。

1985年に電気通信事業法が施工されるまではモデムは電話回線に繋げることは許されなかったようですが、1984年にはモデムを米国から持ち帰り東京工業大学慶応義塾大学、東京大学の3つの拠点がUUCPというネットワークでひっそり繋がりJUNET(Japan University Network)と名付けられ、のちに米国とも繋がるようになりネットワークの価値を知らしめることになります。

そして、そこからWIDEプロジェクトが発足しこのWIDEネットワークもいったん東京大学の学術情報センターが始める学術論文データベース用のネットワークを間借りする形で米国の学術研究インターネットの基幹ネットワークに繋がっています。このような背景がわかると普段何気なく使っているインターネットも非常にありがたく感じられる気がします。

この本が出版されてから8年も経過しているので変わっている部分も多いかもしれませんが、普段何気なく使っているインターネットの歴史や基礎を理解するためには非常にお勧めの本だと思います。